広報誌かわらんべ第158号に掲載

第19回 サケの回帰を目指し 不死清水(しんずら しみず)

明治初期に鮭の稚魚が養殖された清水は今

南箕輪村の天竜川と大泉川の合流点近くの段丘に【不死清水】(しんずら しみず) と呼ばれる湧き水があります。死に瀕した病人がこの清水を飲んで回復し、長寿の水として知られるようになった由縁は村のホームページの「web絵本館」で詳しく語られています。昔は飲料水やワサビ栽培に利用され、今も災害時の非常用水源としての役割のあるこの清水は、長野県の「信州水自慢121」に選出されています。
天竜川との関わりで注目したいのが、この清水で鮭を養殖して天竜川に放流していたという記録です。今から百数十年も前の明治時代の初め、時の政府は新産業としての鮭の放流・回帰に期待していた頃、村の有志の熱意で事業化され、清水を利用した養魚池で鮭の稚魚を養殖し、天竜川に放流しました。この放流は明治12年から15年まで続けられましたが、結局、鮭の回帰はなく、事業は中止となりました。

今では養魚池やワサビ田などの昔の面影は消えましたが、湧き出る水の冷たさと透明感は当時のままです。【南箕輪村ホームページを参考にしました】

今も清水を求める人の姿が絶えない
(写真提供:南箕輪村)