広報誌かわらんべ 120号掲載分

滝ノ湯川

八ヶ岳連峰の稜線付近から湧き出た流れは、たくさんの沢の水を集めて八ヶ岳中腹の深い森を駆け下る渓流に姿を 変えます。滝のような流れは常に躍動し、多量の気泡で白く見える早瀬と、川底の火山岩によって黒く見える淵が交互に現れます。森林の合間から光がさすと、 川底の砂粒までハッキリ見えるほど水は透明で、石の下には多くの水生昆虫がひしめき合って生活しています。

風が吹いて渓畔の虫が水面に落ちたとき、川底の大石の下から黒い影が現れ、波紋を残して虫を消し去りました。影の正体は“最上流の住人”イワナです。

左:天竜川水系の原種ヤマトイワナ 右:渓流の生きものを育む清冽な流れ

イワナを育む清冽な渓流を、いつまでも変わらぬ姿で残していきたいものです。

(かわらんべスタッフ 久保田 憲昭)