【この災害の教訓を明日の防災に活かそう】

前回までに10年前の災害のことや、災害を引き起こす雨の降り方、地形地質の特徴について伊那谷の自然に詳しいお二人に解説いただきました。最終回はそこから学ぶべき今後の防災を考えてみました。

最近、「豪雨」と呼ばれる強い雨が多くなっています。確かに時間雨量80mm以上の「猛烈な雨」の発生回数は40年前の10回程度が20回程度に倍増しました(右図)。本誌171号で「線状降雨帯」と呼ばれる豪雨が伊那谷でも発生する条件が揃っていることを今村理則さんの解説で知りました。3年前の夏には中央アルプスの木曽側でも線状降雨帯が発生して土石流災害を引き起こし、豪雨の脅威を身近に感じました。
また、ふだんは小さな流れの川でも大雨の時には土石流が押し寄せてくること、その発生には崩れやすい地形地質も関連していることを本誌172号で村松武さんに紹介いただきました。これは10年前に土石流災害が発生した岡谷・辰野地域に限ったことではなく、伊那谷全体に共通したことがらです。
災害の教訓として村松さんが言うように、私たちは過去の災害の痕跡に住んでいることを自覚し、身近な自然をよく知っておくことが大切です。そうした意識や目を養うことで、災害の前ぶれとなる異変への気づきや対処も素早くなると考えられます。今まで伊那谷の自然を知ることは地域の環境愛護の観点が中心でしたが、これからは災害から身を守るための防災学習の一つと考え、自然から防災を学びましょう。


伊那谷の自然の特徴を知る講座


避難が必要な雨の強さを知る体験


データ出典:気象庁ホームページ
「アメダスで見た短時間強雨発生回数の長期変化について」
アメダス1000地点当たりの発生回数