約1300年前の「池口くずれ」で埋まった当時の原生林が、長い時を越えて再び地上に姿を現しました。骸(むくろ)となっても大地に立つこの古木から、現代の私たちは何を学ぶべきか? 伊那谷遺産の埋没林に注目してみました。

●遠山川に現れた古代の原生林

遠山川の河床から姿を現した埋没木は数十本、90年代頃のことです。その半数は立ったままの状態で地中に埋もれていました。ほとんどは直径50cm 以上の大木で、中には直径1m 以上の巨木や樹齢700年以上のヒノキもありました。比較的新鮮な色を保っていて、その心材の強度も現生木に劣らない状態でした。


遠山川の埋没木(飯田市南信濃木沢(大淵地区)

●年代測定が決め手:埋没は「遠江地震」と推定

この木々がいつ埋没したか? 年輪を読み取り「年輪年代測定法」によって枯死した年代が測定されました。その結果、枯死したのは約1300年前で、古文書に記載のある遠江地震と年代が一致しました。年代測定により、この木々が枯れたのは地震での山崩れに関連する土砂埋没が原因と確定しました。

●埋没林は土砂災害の目じるし

千年前の出来事を今に伝える埋没林は、過去の土砂災害を示す目じるしと言える存在です。地域の自然環境を詳しく知ることは、過去の自然災害を知ることにつながっていくことを、この例はよく示しています。
防災の第一歩は身近な自然を知ること。自然の姿から防災を学びましょう。

※広報誌かわらんべ第149号に掲載