一日で できた扇状地のはなし:飯田市伊賀良

【天竜川上流河川事務所の「三六災害50年」パネルより転載 】


大石は今も当時を物語る(JAみなみ信州)

52年前の「三六災害」のことです。記録的な大雨で飯田市伊賀良の笠松山の斜面から大量の岩石と砂が南沢の谷へ崩れ出ました。砂と石を含んだ土石は山津波(やまつなみ)になって家のある野池から国道をこえて、みなみ信州農協本所まで広がりました。6月27日の出来事です。
夜が明けた28日、村の人たちは驚きました。たった一晩で目の前に扇状地ができていたのです。山津波の先には農協の一階を破壊した大きな石がすわっていました。この石は、今も農協の玄関前に置かれ「災害を忘れぬ為に」と刻まれています。
三六災害では北方地区の南沢と大瀬木地区の滝沢で山津波が発生しました。この時、5人の人が亡くなり、45戸の家が壊されました。今は復旧工事によって当時の様子がわかりにくくなっています。
とくに注目したいのは「一夜扇状地」の上です。50年たってみると、扇状地の上には新しい住宅が建ちならんでいます。ここで生活しているみなさん、この土地が生まれた出来事を忘れないでください。

(伊那谷自然友の会:松島信幸)