体長 約6cm

7月に天竜川の岸辺を歩いていると、水際からそれほど遠くない石や植物の上にたくさんのオナガサナエの羽化殻がついていました。オナガサナエは、流れの速い川にすむ数少ないトンボのひとつです。成虫は黒地に黄色い模様がありますが、オニヤンマよりもだいぶ小さく、尾部の末端が太くなります。幼虫は、背面にある翅になる部分(翅芽)がハの字に開くので、他の種類と見分けがつきます。羽化した未熟個体は、しばらくの間、川から離れて山間地で過ごし、成熟してから川に戻ります。ただし、産卵するのは、自分が羽化した場所よりもやや上流側になるようです。まるで、幼虫が川の流れに流されることを予知し、それを補うかのようで、とても興味深いです。下流から上流へ向かう成虫の移動は、トビケラやカワゲラなどの水生昆虫でも知られています。写真の成虫は、10月1日に泰阜ダムを見学した際、講座参加者が捕まえました。

(かわらんべスタッフ 柳生 将之)