ウスバキトンボは熱帯や温帯地域に住んでいるトンボで、日本でも真夏にごく普通にみられます。成虫はうすい翅をもち、全身が黄褐色をしています。寒さに弱く、秋が深まると成虫はみられなくなります。幼虫も水温4℃で死ぬため、沖縄などの温かい地域をのぞいて、冬にはいったん死滅してしまいます。ところが、翌年の夏には再び全国的に広がります。その秘密は飛翔能力と幼虫期間の短さにあります。ウスバキトンボは体のわりに広くて大きな翅と軽量の身体によって、あまりはばたくことなくグライダーのように風をとらえて長時間飛ぶことができます。また、産卵は都市部の水たまりや屋外プールでも可能で、産着卵は数日で孵化します。幼虫はミジンコやユスリカなどを食べて急速に成長し、早ければ1ヶ月ほどで羽化します。そして、暖かくなると発生と分散を繰り返し、南から徐々に分布を広げてゆくのです。ある時期限定のウスバキトンボ、気をつけて探してみてはいかがでしょうか。今年は残暑が続いたせいか、9月25日にかわらんべでたくさん見ることができました。

(かわらんべスタッフ 柳生 将之)