みなさんは伊那谷名物の「ザザムシ」を知っていますか?
ザザムシの佃煮は珍味で高価な特産物で、ザザムシ漁は伊那谷天竜川の冬の風物詩として全国的に有名です。

実は、川にすむ水生昆虫を食用にする文化があるのは、世界中で伊那谷だけのようで、ザザムシは貴重な文化の主役といえます。

ザザムシという呼び名は、ヒゲナガカワトビケラのことや水生昆虫の総称として用いられますが、昔はカワゲラのことをザザムシと呼んでいたとの説があります。
75年前の天竜川の水生昆虫について書かれた文献には、カワゲラがとても多かったとの記述があり、今の天竜川では少ないカワゲラも昔は普通に見られる生きものだったようです。

なぜカワゲラが少なくなったのでしょうか?
その理由は水質の変化にあると考えられます。

83年前の文献には、山間の渓流でしか見られないような種類が当時の天竜川で記録されており、きれいな水が流れていたと考えられます。ところがその後に水質が悪化し、40年ほど前の文献では水生昆虫の種類が減って、カワゲラも姿を消しました。天竜川の水質の変化によってカワゲラが減り、ヒゲナガカワトビケラばかりが目立つようになってしまったため、ザザムシの「主役が交代」したのだと推測されます。

(かわらんべスタッフ 久保田 憲昭)