広報誌かわらんべ 123号掲載分

中村 昌二(なかむら しょうじ)さん

「ザザムシとは川の水生昆虫の総称、あるいは特定の水生昆虫を指して呼ぶ地方名です。伊那谷天竜川流域には、それを専門にとる「ザザムシ漁」という漁業があり、とったザザムシは佃煮にして冬の食卓を飾ります。川の水生昆虫を食べるのは世界中で日本だけですが、今も文化として残っているのは伊那谷天竜川だけです。今回は、ザザムシ漁歴50年の大ベテラン漁師の中村さんに、漁の始まった初冬の天竜川でお話をうかがいました。

ザザムシ漁を始めたキッカケは?

昔はこの辺り(駒ヶ根市東伊那)は職人が多い地区で、冬になると仕事が途切れてしまうもんで、冬にできるザザムシ漁をする先輩が多かったです。自分も20代のころから自然にザザムシ漁を始めました。

今と昔の漁のちがいは?

大きなちがいはなくて、昔と同じ方法でやっています。漁をする道具はほとんど手作りしたもので、使いやすいように工夫して作っています。この選別器は先輩の漁師から譲り受けたもので、今も大切に使っています。

ご自身にとって天竜川・ザザムシとは?

天竜川が好きで、天竜川の様子が良いと、居てもたってもいられずアユやザザムシをとりに川に出ました。年末年始に友人や親戚のところにザザムシの佃煮を持って行くんだけれど、みんなが楽しみに待っていてくれるのが嬉しいですね。

将来の天竜川・ザザムシ漁に一言

昔の天竜川のアユはすごく良かった。そんな天竜川に戻ってほしいです。ザザムシは今の若い人や子どもにはあまり馴染まないかもしれないけれど、ザザムシ漁はいい文化なので絶やさないようにと願っています。