連載② 水質浄化で増えてきた生き物<カワゲラ>

前号で紹介した天竜川の生き物の変化について、今月から特徴的な種類ごとに詳しく解説していきます。まずは水質が良くなって増えてきた生き物を数回に分けて紹介します。

かつては多かったカワゲラたち

今から100年前の文献には諏訪湖の湖岸にオオヤマカワゲラが生息していたと記録されています。また約80年前(下)には、天竜川のカワゲラ属について「おびただしい数」との記述があります。昔は諏訪湖も天竜川も水はキレイでカワゲラがすみやすかったことを示しています。

高度経済成長期に姿を消す

そんなカワゲラも天竜川から姿を消しました。

「ざざ虫」の漁や佃煮について書かれた文献や情報によると、1960年~70年代の高度経済成長期の水質汚濁によってカワゲラがいなくなり、 「ざざ虫」の主役もヒゲナガカワトビケラに交代してしまいました。特に上伊那北部では、今から20年前の90年代後半でもカワゲラは非常に少なく、水質悪化の影響が長引いていたことが想像できます。

近年、天竜川の水質改善が進む

その後、水質汚濁の対策が進み、改善の成果は水質データにハッキリ現れるようになりました。下水道事業や企業の努力、市民活動や個人の意識向上の賜(たまもの)です。

水質浄化でカワゲラが増えてきた!

約20年前にカワゲラを調査※したときは一部の地域以外は種類も匹数も少なかったです。しかし今年の冬の調査※では、カミムラカワゲラはどこでもたくさん生息していて、冬の普通種と言えるほどに増加しました。この種類ほどではありませんが、ヤマトヒメカワゲラやスズキクラカケカワゲラも広範囲で見つかるようになりました。

天竜川の水質の回復によってカワゲラたちは着実に元の姿に戻りつつあります。

【カワゲラは水質に敏感な生き物】「きれいな水」の指標生物であり、最新の「日本版平均スコア法」でもカワゲラ科・アミメカワゲラ科の種類は水質の良いことを示す高いスコア値(9)が設定されています。

※ ここに記載した1997年と2018年のカワゲラ生息情報は、広報担当が調査した未発表データです。

広報誌かわらんべ第183号(2018年2月号)に掲載